INTERVIEW

マッチング事例 インタビュー

Vol.2

人事と物流を知る経営人材が
地域成長企業の経営課題を組織横断的に解決

背景・課題

物流業界の2024年問題への対策を進める中、運用後に生じるさまざまな問題を懸念し、人事・労務や物流関係に明るく、自ら進んで経営支援・業務改善ができる人材を希望。

成果

大手外資系メーカーで人事室長、総務部長、ロジスティックスオペレーション部長を歴任した人材を採用。既に複数のプロジェクトで成果を挙げており、さらなる経営支援の役割に期待。

経営人材を採用した地域企業

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ベア・ロジコ株式会社

常務取締役
大橋 浩一 様

業務拡大と「2024年問題」に対応できる人材を求めて

ベア・ロジコは山形県天童市に本社を構え、2024年に創業70周年を迎えた物流会社です。食品輸送を基盤に経験を積み、変化の激しい社会環境の中、時代や顧客のニーズに応えるべく、高品質で人にも物にも優しい物流を目指して業務の幅を広げてまいりました。
トランクルームなどの押入れ産業や引越し事業、福祉タクシー事業、倉庫業など経営を多角的に展開しており、それに伴い労務管理から品質管理まで管理の対象も多様化し、それを統括できる人材の育成が急務となっていました。また、2024年4月から働き方改革関連法により自動車運転業務の年間時間外労働時間の上限が960時間に制限される、いわゆる「2024年問題」への対応が必要となり、物流と労務管理に明るい人材を求めていたところ、TRYパートナーズ様から丹野さんをご紹介いただきました。

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常務取締役
大橋 浩一 様

丁寧なニーズの聞き取りで、選考過程がスムーズに進行

ほかの中小企業と同様、当社においても人手不足の問題は深刻です。良い人がいたらすぐに採用したいと考えてはいたものの、積極的に求人を出すところまで手が回っていなかったのが実情でした。だからこそ、我々のニーズをくみ取り、先手を打って丹野さんをご紹介くださったTRYパートナーズ様には大変感謝しています。
丹野さんは、大手メーカーで人事・労務だけでなく物流関係の経験を積んでこられたまたとない逸材でした。大企業出身者を受け入れた前例がなかったため、当社で力を発揮いただけるか不安に思う部分もありましたが、TRYパートナーズのご担当者である永岡様が、事前に我々と丹野さん双方の希望を丁寧に聞き取り、すり合わせをしてくださっていたおかげで、1回の面接で採用に至りました。懸念していた採用後のミスマッチもなく、丹野さんには生き生きと働いていただいています。

中小企業のジレンマを解決してくれたREVICareerの給付金

TRYパートナーズ様は山形銀行の100%出資企業。日頃からお付き合いのある営業店との連携もしっかりしていたので、安心してやり取りを進めることができました。また、REVICareerを通して支給される最大500万円の給付金にも大いに助けられることとなりました。業務の変革を円滑かつ早急に進めるためには、大企業で培った様々なノウハウを持つ経営人材を採用したいと考える中小企業は多いはず。
しかしながら、大企業と同レベルの待遇で迎えるのは難しく、断念せざるを得ないというのが現実です。それなら、社内で人材を育てるしかないわけですが、それには数年あるいは数十年単位の時間が必要となります。しかし、中小企業では人材育成に割く余裕を十分に確保できません。このジレンマを解決してくれたのがREVICareerの給付金でした。これがなければ、当社も大企業出身の経営人材の採用に踏み切ることができなかったかもしれません。

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大企業出身者ならではの先見性、想定を超える活躍にさらなる期待

初めて大企業出身者を受け入れてみて感じるのは、先を見通す目の確かさです。こちらから指示しなくても、進んで課題を見つけて動いてもらえるので大変助かっています。丹野さんには主に労務管理や物流企画を担当していただくつもりでしたが、ドライバーの安全教育や、多様化する管理業務の効率化、DXの推進など、組織横断の経営課題の改善にも取り組んでもらいたいと思っています。すでに、経営陣への提言を含め社内コンサルタントの様に活躍いただいている部分もありますので、今後は丹野さんご本人と相談しながら、業務内容に見合ったポストを用意できたらと考えています。
2024年問題の影響はまだまだ続きます。当社においても、持続可能な物流システムの構築に向けたさらなる戦略を練っていかなければなりません。新しい経営課題の解決に大企業出身者の知見が必要となった際には、またREVICareerを利用させていただきたいです。

マッチングした経営人材

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ベア・ロジコ株式会社

総務部 次長
丹野 芳浩 様

「70歳まで働く」という
目標実現のため転職を決意

東京の私立大学卒業後、大手外資系メーカーの山形事業所に入社しました。最初の配属先は総務・人事でした。それから23年間この部門に身を置き、人事室長、総務部長などを務めました。その後、物流ロジスティックスの部門長として15年の経験を積み、定年後は再雇用というかたちで、DC(在庫型物流センター)再編と新しいERPシステムの導入という2つのプロジェクトに従事しました。幸いにも3年で成果を挙げて一区切りつけることができたので、そのタイミングで今後の働き方について見直し、再雇用のリミットである65歳を迎える前に新たなチャレンジをしようと決心。70歳まで働き続けるという目標に向けて転職活動を開始しました。

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総務部 次長
丹野 芳浩 様

REVICareerならではの“表には出ていない求人情報”に驚き

ほかの転職エージェントからもいくつか企業をご紹介いただきましたが、勤務地が遠方だったり、待遇面が希望水準に達していなかったりと、100%納得できる条件ではありませんでした。60歳過ぎての転職ですから仕方がないと諦めかけていましたが、TRYパートナーズ様はレスポンスが早く、面談後まもなく5社ほどご紹介を受けました。しかも、自宅から近い地元で有名な企業ばかりでした。地域に根ざす金融機関の全額出資会社だからこそ得られる、表には出ていない求人情報の質の高さに驚かされました。
その中でもベア・ロジコ様は業務内容も待遇面の条件も希望に近く、トントン拍子で面接へ進みました。TRYパートナーズの永岡様をはじめ、山形銀行の支店長様、課長様、ベア・ロジコ様側からは会長以下5名の役員の方々が面接にご同席くださり、1時間半以上じっくり時間をかけてさまざまなお話をさせていただきました。アットホームな雰囲気が好印象で、お互いに正直なコミュニケーションが取れたという手応えもあり、内定をいただいてすぐに入社を決めた次第です。

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「ヒト」を重視したリアルで深い情報がミスマッチを防ぐ

地域金融機関による人材マッチングは、ほかの大手転職エージェントにもない大きな魅力だと感じました。日頃から地元の企業の経営者とフェイス・トゥ・フェイスでお付き合いされているだけあり、地域の金融機関はその企業の経営状況や課題、社風から求めている人材まで、さまざまなことを知り尽くしています。ホームページや有価証券報告書からは見えてこないリアルで深い情報を持っているからこそ、ミスマッチのない人材紹介が可能になるのではないでしょうか。
経営の三要素は「ヒト」「モノ」「カネ」と言いますが、この順番はとても大切で、「ヒト」が1番目、「カネ」は3番目です。金融業は3番目である「カネ」を融通することで地域経済を発展させてきましたが、1番目の「ヒト」を介して地域の企業の経営課題を解決することで、地域経済を元気にしていく――。先進的で素晴らしい取り組みだと思います。

中小企業ならではのスピード感や裁量権の大きさがやりがいに

前職ではエンプロイアビリティの大切さを自ら説いてきた立場ですので、大企業から中小企業に転職しても大きな戸惑いはありませんでした。まだ入社して日が浅くはありますが、ドライバーの労働時間の見える化や研修のEラーニング化、就業規則の大幅改訂を実現させてきました。今後は給与明細書のペーパーレス化などにも取り組もうと考えており、大橋常務からは医薬品輸送のGDP(Good Distribution Practice)に対応した品質管理システムの構築も任せたいと言われています。
中小企業では大企業に比べて企画・提案から決裁までのスピードが早く、自分次第でどんどん結果を出せるのが面白いところです。結果の善し悪しがすぐに自分に返ってくる厳しさはありますが、それがやりがいにもつながっています。企業規模に合ったベンチマーキングとベストプラクティスについてはまだ模索中ですが、さまざまな知識を吸収しながら、新たな戦略や企画を提案していきたいと考えています。

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マッチングを仲介した地域金融機関

TRYパートナーズ株式会社 アイコン画像

TRYパートナーズ株式会社
地域推進部 人材コンサルティンググループ
グループマネージャー 永岡 睦 様

(現:山形銀行 営業企画部 法人企画グループ 調査役)

地域企業の経営課題を人材の面から解決するために

地域金融機関等の取引先企業に対する人材紹介業務が可能である旨が監督指針改正により明確化され、2019年、山形銀行も本格的に許認可を取って人材紹介事業に参入しました。翌年2020年には、地域商社TRYパートナーズ(山形銀行100%出資)を開業しました。TRYパートナーズは県内企業の企業価値の向上をお手伝いする地域商社事業と人材紹介事業や経営コンサルティング、不動産マッチングを軸としたコンサルティング事業を専門に行っております。同社のメンバーとして丸4年、山形銀行時代の1年も含めると計5年、人材紹介事業に従事してきた次第です。
TRYパートナーズ開業の背景にある地域課題の一つは人手不足です。日頃お聞きしているそれぞれの企業様の経営課題を人材の面から解決へと導くべく、山形銀行の営業店と連携を取りながら取り組みを進めてきました。

調査役:永岡 睦 様 画像

調査役
永岡 睦 様

大手企業経験者による
企業成長ステージの引き上げに期待

ベア・ロジコ様は、県内の有力物流企業。より一層お付き合いを深めていきたいという思いもあり、以前にも一度人材を紹介させていただいたことがあります。残念ながらマッチング成立には至りませんでしたが、その際にベア・ロジコ様の経営課題に触れ、今後、持続可能な発展を目指すためには制度設計のブラッシュアップが必要なのではないかと感じ、大手企業で総務・人事および物流の統括をされた経験を持つ丹野様を推薦させていただきました。
ベア・ロジコ様側は大手企業出身者に限った人材募集を想定されていたわけではありませんでしたが、丹野様のご経歴には強い関心をお示しいただき、すぐに面接が決まりました。面接前にもベア・ロジコ様と丹野様、双方が求める条件についてできる限り丁寧にご説明させていただき、1度の面接で内定が出て、丹野様にもすぐに内定を承諾いただけました。

REVICareerの給付金が、中小企業の経営人材獲得のフックに

ベア・ロジコ様に限らず、経営課題を解決できる人材を採用したいと思いつつも、待遇面の折り合いをつけるのが難しいというお悩みを抱える中小企業は少なくありません。そんな中、REVICareerの給付金制度は非常に大きな支えになると感じています。
実際に、丹野様はほかの転職エージェントを通して内定や最終面接まで選考が進んでいる企業があったものの、最終的にベア・ロジコ様への就職を決意された最大の決め手は、仕事のやりがいや経営陣との相性だったのはもちろんですが、ベア・ロジコ様がREVICareerの給付金を採用者である丹野様に提示する待遇の改善にご活用いただけたことが、マッチング成立の後押しになった側面もあると思います。REVICareerの給付金制度は、企業が積極的に経営人材を獲得するマインドセットへシフトするフックとしても有用なのではないでしょうか。

調査役:永岡 睦 様 画像

人材紹介を起点として新たに派生するニーズも

今回のマッチングが成立したことにより、当社のみならず母体である山形銀行とベア・ロジコ様との関係もより親密なものとなりました。人材紹介から派生する新たなニーズも生まれ、地域の有力企業との接点が増えたことを大変喜ばしく思っております。また、TRYパートナーズは、人事評価制度の構築や賃金制度の設計のコンサルティング業務も手掛けておりますので、丹野様を通じて新たなご提案ができるのではないかと期待しているところです。
今後も山形銀行の営業店と連携を深めながら、地域経済を牽引する成長度の高い企業様の顕在化していない幹部クラスの求人ニーズを掘り起こしていく所存です。採用企業側にとっても転職を希望される方にとってもWin-Winなマッチングが実現できるよう、仲介役である我々もスキームのブラッシュアップに務め、地域企業の人材課題の解決に貢献できたら幸いです。

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TRYパートナーズ株式会社 外観画像