INTERVIEW

マッチング事例 インタビュー

Vol.7

大手不動産会社の営業幹部が
地域インフラを支える
ホールディングスの後継者候補に

背景・課題

ホールディングス体制への移行に伴い、グループ全体を俯瞰し相乗効果を生む企画立案ができる経営人材の不足が課題に。次世代の後継者候補の確保も重要な経営アジェンダとして浮上。

成果

大手不動産会社の営業幹部を、ホールディングスを統括するゼネラルマネージャーとして採用。不動産領域で培った知見で、入社後数カ月で宅建業を新規立ち上げ。AIで経営高度化も推進。

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経営人材を採用した地域企業

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吾妻産業株式会社

代表取締役
田村 徹 様

組織再編と多角化経営で
浮き彫りになった経営人材不足

吾妻産業は創業以来、建設業や運送業、砕石業などを通じて、鳥取県岩美町のインフラを支えてきました。約1年前には傘下のグループ企業7社を束ねるホールディングス体制へと移行し、現在は不動産管理、タクシー、廃棄物処理、下水処理場の維持管理のほか、地域コミュニティの活性化を目的とした飲食業へと事業ポートフォリオを拡大し、地域生活に不可欠なサービスを網羅的に提供しています。

しかしながら、事業が多角化し、グループ全体の従業員数が200名を超える規模にまで組織が拡大するにつれ、「グループ全体を俯瞰し、相乗効果を生み出す戦略を描ける経営人材の不足」という大きな壁に突き当たりました。各現場には専門性の高い人材がそろっていますが、10年、20年先を見据えたグループ全体の戦略を描ける人材はおらず、地域の生活基盤を守るためにも私自身の後継者確保は喫緊の課題でした。

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代表取締役
田村 徹 様

REVICareerが可能にした
理想的な経営人材との出会い

当初は、民間の人材紹介会社などを通じて独自に採用活動を進めていました。しかし、地方の中小企業が求める「経営層」に適した人材情報はなかなか集まらず、面談に至っても当社のビジョンに合致する方と出会えない状況が続きました。そんな折、日頃から経営の相談に乗っていただいていた鳥取銀行の渡部様から提案されたのがREVICareerでした。

「大企業で管理職を経験した人材であれば、当社の業務を客観視し、構造化・効率化を推進できるはず」「地方という枠を超えた視点を取り入れることで、既存慣行に依存しない組織変革が可能になる」──地元の事情と当社の内情を熟知する鳥取銀行様が、求職者の人柄やスキルを見極めたうえで推薦する仕組みには、ほかの人材紹介会社にはない信頼性があると感じました。結果的に、求職者の紹介からマッチングまでのプロセスも極めてスムーズで、従来の採用とは次元の異なるスピード感にも大変驚きました。

「レジリエンス」「気概」「鳥取愛」が採用の決め手に

大手不動産会社で営業幹部を務めてきた前田さんは、商業開発の経験もある40代。私より一回りほど若く、世代的にも「後継者候補」として申し分のない存在でした。さらに、優れた人間性と高いレジリエンス(逆境対応力)の持ち主。若くしてお父様を亡くし、苦労して幼い兄弟を支えながらキャリアを切り拓いてきたその経験は、同じく若くして父を失い経営を引き継いだ私自身の境遇とも重なり、深い共感を覚えました。同時に、「彼なら厳しい局面でも逃げずに向き合える」と確信しました。

また、選考の最終段階で「入社後に何をしたいか」という、新規事業提案の課題を投げかけたところ、期待を遥かに超える熱量で応えてくれたことにも衝撃を受けました。経営者には「0から1」を生み出し、困難に真正面から挑む胆力が不可欠です。前田さんの示した圧倒的な熱意、そして大企業の看板を離れてでも亡父の故郷である鳥取東部地域に貢献したいという「鳥取への強い思い」に触れ、採用を決断しました。

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グループを牽引する後継者への成長に期待

入社後、前田さんは驚くべきスピードで成果を出してくれています。まず、自身の専門性を武器に、それまで当社になかった宅建業の免許を取得し、新規事業をスタートさせました。また、AIを用いたデータ分析の知識を活かし、これまで経験則に頼っていたタクシー事業の稼働状況を可視化するなど、経営の高度化にも踏み込んでいます。「外部の視点」が入ったことで、社員の間にも「当たり前だと思っていた習慣を見直そう」という前向きな変化が生まれ始めています。

既存役員とも積極的に議論を重ねながら、異なる業種の顧客情報を連携させるなど、事業横断的な仕組みづくりも推進しています。今後も柔軟な発想でグループのシナジーを最大化させ、いずれは私に代わってグループ全体を統括するリーダーへ成長してほしいと願っています。

前田さんというかけがえのないパートナーを得た今、吾妻産業の進化をさらに加速させるべく、私自身もその歩みを力強く後押ししていく所存です。

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マッチングした経営人材

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吾妻産業株式会社

HD経営企画統括 ゼネラルマネージャー
前田 聡 様

愛する鳥取の地で、組織を動かす側へ

自分の成果が給与面や昇進面にて評価される環境を求め、大手賃貸不動産会社の営業職で約20年間、営業職を経て賃貸事業部門の副部長などの幹部職を歴任しました。その後、小売業での商業開発や投資用不動産の仕入れ・販売なども経験。不動産領域で順調にキャリアを積む一方で、「経営の意思決定に関わり、会社の未来を創造する側に回りたい」という夢がいつしか芽生え始めました。

同時に、仕事に合わせて大阪や東京など拠点を転々とする中、家族のために腰を据えて働く場所を定めたいと考えるようになりました。そこで思い浮かんだのが、父の故郷である鳥取県へのIターン転職でした。私が26歳の時に亡くなった父は、生前に「定年後は鳥取に帰りたい」と漏らしていました。私自身も幼少期に祖父母の家で過ごした楽しい記憶から、鳥取への強い愛着を持っていたこともあり、「ふるさと鳥取県定住機構」の説明会に参加。鳥取県に限定した経営幹部求人の情報収集を始めたのがすべての始まりでした。ちなみに、父が亡くなった際、15歳離れた弟はまだ小学4年生でした。父に代わって弟を立派に育て上げようと心血を注いだ体験が、現在の私を形成しているように感じています。

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HD経営企画統括 ゼネラルマネージャー
前田 聡 様

地域インフラを支える使命感に突き動かされて

多くの人材紹介会社では経歴に合わせた営業部門の幹部候補のオファーが中心で、経営層の求人には巡り合えずにいました。そんな中、鳥取県の中堅・中小企業支援のためのREVICareer活用プロジェクトである「地域企業幹部人材採用促進ネットワーク」にふるさと鳥取県定住機構が参画していたことで、REVICareerを通じて鳥取銀行の渡部様とのご縁がつながり状況が一変しました。

REVICareer経由で渡部様からご提案いただいたのは、吾妻産業グループ傘下企業の役員候補。まさに私が求めていたポジションでしたが、親会社である吾妻産業の代表も務める田村社長との面談を重ねる中で、「吾妻産業でグループ全体を統括してほしい」とより重い役割を打診されました。建設業を祖業としながら、地域生活を支える多角的な事業を展開している同社の経営理念に魅力を感じたのはもちろん、自らの知見でグループ全体の価値を高め、地域活性化に寄与したいという挑戦心も湧き上がり、迷わず入社を決意した次第です。

転職活動を始めた当初はREVICareerの存在を知りませんでしたが、この制度を利用して本当に良かったと感じています。地元金融機関が伴走してくれる仕組みには安心感があり、厳選された求人の質の高さにも驚きました。また、私の経歴や人柄をじっくりと見極めた上で、マッチングを進めてくださった渡部様にも感謝しております。

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「経営の自由度」は何よりの報酬

正直なところ、年収は前職を下回る条件でした。しかし、「経営の自由度」は年収の差分を埋めても余りある報酬。これは先行投資なのだと感じ、努力次第で評価を高めていける環境に挑戦意欲をかき立てられました。

選考の最終局面で田村社長から「入社後に何をしたいか」という宿題をいただいた際は、これまでの知見を総動員し、30枚に及ぶ事業計画書を作成しました。単なる「転職」ではなく、一人の経営人材として吾妻産業の未来にどう貢献するか。その覚悟を形にした計画書が社長の心に届いたことは、私にとって大きな自信となりました。

入社後、業務に携わる中で、環境や仕事の進め方に大企業とのギャップを覚える場面もあります。それでも、意思決定の圧倒的なスピードといった中小企業ならではの強みを痛感しています。多くの業務がシステム化されず属人化しているという課題もありますが、私にとってそれは「伸びしろ」。自らのノウハウを活かした変革の積み重ねで、組織の生産性と競争力を着実に高めていきたいと考えています。

外部人材が輝く、無限のフィールドがここに!

地方の中小企業には、経験豊富な外部人材が力を発揮できる余地が大きく広がっています。早期退職や役職定年を機に「もう一花咲かせたい」と考える方や、これまでのキャリアがどこまで通用するか試してみたいという方にとっては、またとない挑戦のステージなのではないでしょうか。私自身、新たな領域への挑戦意欲が一層高まっています。

目下の目標は、グループ会社それぞれの社風や文化、現場に対する理解を深めること、そして、グループのBtoB、BtoCの経営資源を生かし、他分野のノウハウを掛け合わせたシナジー効果を最大限に引き出すことです。まずは、ゼロから立ち上げた宅建業の自律的運営とブランディングを進めながら、いずれは行政と連携した街づくりや、人口減少に対応する施策提言へとつなげていきたいと考えています。

加えて、社長の右腕、さらには次世代リーダーとして、吾妻産業が100年先も地域に愛される企業であり続けるための仕組みを構築する――。「行動なくして成果なし」を信条に、変革を重ねてまいります。

代表取締役社長 画像
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  • 吾妻産業株式会社
  • 〒681-0065
    鳥取県岩美郡岩美町新井555番地の1
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マッチングを仲介した地域金融機関

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株式会社鳥取銀行

上席次長
渡部 憲政 様

“人材のプロ”として
人材紹介事業の立ち上げを主導

約30年間、大手人材会社で人材ビジネスのあらゆる側面を経験し、2023年、鳥取銀行が本格的に人材紹介事業に参入するタイミングで本行に入行しました。銀行が持つ圧倒的な顧客基盤と信頼を生かし、プロフェッショナルな視点から「人」という問題の解決策を提示することに、強い使命感と可能性を感じたからです。これほど長く、かつ幅広く人材領域に携わってきた人間が銀行という組織に入るケースは、全国的にもまだ珍しいかもしれません。現在、私の所属する法人コンサルティング部では5名体制で人材紹介事業を推進しています。スタートから約1年4カ月で、既に550件もの求人をお預かりし、50〜60件の成約に結びつけるなど、着実に実績を積み重ねています。

人口減少社会において、企業が直面する最大の課題は「人」です。この課題に応えられないことは、金融機関としての存在価値そのものに関わる問題であると認識し、日々業務に取り組んでいます。

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株式会社鳥取銀行
上席次長

渡部 憲政 様

情熱が引き寄せた運命のマッチング

吾妻産業様との出会いは、「自分の後継者となってくれる、40代の経営人材が欲しい」という切実な相談を営業店経由で受けたことがきっかけでした。50代中盤の田村社長にとって、10年、20年先を託せる人材の確保は経営の最重要課題。そこで、「鳥取モデル」ともいわれる地域企業幹部人材採用促進ネットワークの仕組みを活用し、REVICareerを通じて前田様をご紹介させていただきました。前田様なら吾妻産業様の変革を担えると確信したからです。

私が初めて前田様とオンラインで面談した際、何より衝撃的だったのは、これまでの経歴には山陰地方での勤務経験などがないにもかかわらず、あふれんばかりの「鳥取愛」を語られたことでした。亡き父の故郷に骨を埋め、地域に貢献したいという強い志は、まさに田村社長が求める資質と合致していました。しかも前田様は、田村社長から出された新規事業計画書作成という宿題に熱意で応えました。この「泥臭く食らいつく気概」こそが、マッチング成立の決め手になったと感じています。

「1番バッター」として
「両手型マッチング」を強化

銀行が人材紹介を行う最大のメリットは、本業である金融業務との高い相乗効果にあります。私は人材紹介を、野球でいえば「1番バッター」の役割と捉えています。今の時代、「お金」の悩みがない企業はあっても、「人」の悩みがない企業はありません。まず「人材」という入口から経営者との信頼関係を築くことで、M&Aや事業承継、節税対策、新規融資など、多様なソリューションへと展開できます。

そのため本行では、「両手型マッチング」を強化しています。銀行の信用を背負い、長期的な取引を前提とする以上、ミスマッチは許されません。求職者には条件面だけでなく、経営者の意思や経営課題、組織風土まで自らの言葉で伝える必要があります。採用企業と継続的に意見を交わし、理解を深める姿勢も不可欠です。今回の案件においても田村社長と何度も対話を重ね、経営者の視座で語り合える関係を築きました。目指すのは単なる「御用聞き」ではなく、経営者の信頼に足るパートナーであること。それが銀行による人材紹介の本質的価値だと考えています。

渡部 憲政 画像

再現性ある質の高い人材紹介で、
地域企業の競争力を底上げ

私はこの人材紹介部門を、“個人商店型”から“工場”へと進化させていきたいと考えています。これまで自身が長年にわたり培ってきたノウハウを分解し、業務のマニュアル化や平準化を徹底することで、担当者に依存せずとも一定水準以上のサービスを提供できる体制を確立したい――。それが、地域企業の経営力向上に直結すると考えています。

その先で、地域の持続的な成長基盤の構築を後押しするツールの一つがREVICareerです。たとえば、地方企業が大企業出身者を迎える際、最大の壁となるのは年収条件のギャップですが、REVICareerの給付金制度の活用により、採用を単なるコストではなく、経営高度化につながる戦略的投資と位置付ける企業が増えていくはずです。実際に「REVICareerはぜひ活用すべき制度だ」という声が多く寄せられています。

今後もこのようなREVICareerの強みと、地元企業を深く理解する銀行ならではの質の高い人材紹介サービスを掛け合わせ、地域企業の競争力強化に努めていきたいと思っております。

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